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これまでとは?/ キャッシュワン

[ 315] 4Gamer.net ― 開発&運営プロデューサーに聞く,「モンスターファームオンライン」のこれまでと今後(モンスターファームオンライン)
[引用サイト]  http://www.4gamer.net/games/028/G002820/20080311027/

現在でも,細かな不具合は残っているようだが,ともあれ,難産の末にどうにかこうにか正式サービスへたどり着いたタイトルと言えるだろう。
今回お届けするのは,プレスカンファレンスが実施された2月25日に,開発プロデューサーの高崎俊行氏(テクモ)と運営プロデューサーの坂本慎治氏(ゲームポット)に行ったインタビューの模様である。正式サービスの開始が遅れた影響で,掲載までずいぶん時間がかかってしまったものの,開発や運営に向けての姿勢や,今後の構想などに変更はないはず。
MFOの正式サービス開始までには,発表から2年の月日が経過しました。まずはこれまでの開発を振り返って,主な経緯を教えてください。
MFOはゼロから開発したんですが,これまで遭遇してきたトラブルや,コンシューマ開発との違いなどを考えると,2年という時間でよくここまでたどり着けたな,と思います。当初はもう少し短くするつもりだったのは確かですが。
今回はサーバー設計やネットワークエンジン,もちろんクライアントプログラムに至るまで,全部ゼロから自社開発されたとのことですが,そのために時間がかかってしまった部分もあると思うんです。あえて,自社開発にこだわった理由を教えてください。
やはり一番大きいのは,テクモに「オンラインゲームを事業の新たな柱として育てていきましょう」という,強い決意があったことですね。そのためには,これまで手がけてこなかった部分に関し,外部に発注したり,既存のものを買い付けてくるのではなく,自社で開発して,技術やノウハウを蓄えていこうという狙いがあったんです。
ええ。ですからMFOのアップデートや,そのさらに次のオンラインゲームを開発するときには,今回の経験が必ず生きると思っています。
オンラインゲーム自体,さまざまなタイトルが市場に投入されていますが,国産でゼロから作っているのは,そう多くはないですよね。そういう意味では,テクモさんがこういった形をとったことが,今後の日本のオンラインゲーム業界にとって一つの財産になるのではないかと思っています。そういう思いで,ゲームポットとしてもここまで一緒に作ってきましたし,今後ともお手伝いをしていきたいと思っています。
MFOの開発や運営をしながら,未開の地に道筋を作っていくようなイメージですね。開発に当たって,最も力を入れていたのはどのあたりですか?
時間という意味では,もちろん開発の実作業に相当かかっているのですが,力の入れ具合ということであれば「こんな風にしたほうが面白くなるのでは?」というアイデア出しですね。
既存のモンスターファームシリーズの延長線上にMFOを作るのか,それともオンラインゲームとして再構築していくのか……というのが,最初の分岐点だったんです。「オンラインゲームとして作り直す」となったときにどの要素を重視するか,とくに慎重に検討を重ねました。
そこで,MFOは“育成”に力を入れようとなったんです。そうなると次は,育成をどのようなシステムにすれば多くの人に楽しんでもらえるか,どんなやり込み要素が好まれるか,そういったことを含め,ゲームポットとしてもかなりコアな部分まで一緒に作ってきたんです。
方向性が決まってからも,実際の開発では未知のトラブルが次々に発生してしまい,何度も何度も作り直すことになりました。その過程ではやはり,ゲームポットさんと密接なやりとりをしてきましたね。
2007年末にはクローズドβテストが行われました。ここに参加したテスターさん達からの反応はいかがでしたか?
今回,モンスターの種族を選べる仕様にしたのですが,やはりこれをシリーズ従来作品のように,CDからどんなモンスターが生まれてくるかをランダムにしてほしいという意見はありましたね。でも,その一方で初めてモンスターファームに触れる方からは,「このシステムで本当にありがたい」という意見も多かったんです。
それ以外では,過去のシリーズに登場したモンスターを早く実装してほしいという意見も多かったです。現在は動物っぽいものがメインなのですが,「ワーム」や「ヘンガー」といった,ちょっと奇怪なモンスターを望む声が,思いのほか多かったですね。
ええ,ですからそういった方達が懐かしんでくれるようなモンスターも,どんどん追加していく予定です。「ヘンガー」や「デュラハン」なんかも。そうそう,「デュラハン。あとは分かるな?」とだけ書かれたメールもいただきました。
オープンβテストでは,ファームでのモンスター育成要素が追加されたのですが,当初の予定ではもう少しあとに実装するつもりだったんです。でも,クローズドβテスターの皆さんからの要望と,それを受けたゲームポットさんからの熱意に押される形で,このタイミングでの実装を決めました。
そういえば,ファームに“助手”も追加されていましたよね? これまでのシリーズでは,助手も主要な登場人物として描かれていたのが印象的です。個人的には,さまざまな外見の助手などが出てくると楽しいだろうなぁ,と思っているんですが……。萌え系とか。
萌えキャラも,すでに用意していますし(笑)。これからどんどん,独創的なキャラクターを追加していきますよ。
外見はもちろんのこと,中身にもさまざまな個性を持たせる予定です。助手ごとに得意とするものが違うようなイメージで。
モンスターに性格があるように,助手にも性格があったほうが,よりMFOの世界を楽しんでもらえると思うんです。こういう部分にもこだわることで,ほかのオンラインゲームとの差を打ち出していきたいですね。
一般的なMMORPGの場合,プレイヤーの分身であるプレイヤーキャラクターを育てるために,経験値を稼いでレベルを上げて,強い武器を装備していく……という流れですよね。MFOの場合は,プレイヤーキャラクターとは別の存在であり,別の性格を持つ“モンスター”を育てることになるわけです。
プレイヤー自身とは異なる存在を,育成していく……というのは,実際にペットを育てるようなイメージですよね。
ええ,そう思ってもらえると分かりやすいと思います。ですから,ゲームを攻略しよう! ということではなく,「コイツはダメな子なんだけど,可愛くてしょうがない!」とか,「オレは周りからどう言われようとも,コイツの育て方は変えないんだ!」みたいな楽しみ方をしていただけると嬉しいです。
そういう“こだわりを持った育て方”ができるようになっていますので,例えば友達同士で,「こう育てたら外見がこう変わった」,「こんな性格になった」というような話で盛り上がってもらえるといいな,と。もちろん運営側としても,イベントやキャンペーンなどの形で,そういった楽しみ方を味わってもらえるよう,努力していくつもりですよ。
そうですねぇ……。モンスターには身長と体重があるのですが,例えば“誰が一番太らせたか”とか,“誰が一番背を伸ばしたか”,あるいは“一定の期間でどれだけ育てられたか”みたいな形のものを考えています。
ええ。ですから,育て方のワンポイントアドバイスみたいなものは,少しずつ公開していきたいと考えています。
例えば,そのアドバイスに従って育成していくと,似たようなモンスターばかりが溢れてしまうようなことはないのでしょうか。
同じ種族で同じCDから生まれたモンスターの場合,初期状態では差がありません。でも,例えばエサを与えたときの効果や,冒険地での戦闘経験などは,そのタイミングや状況次第で,それぞれ異なるものになります。すると次第に,個性が分かれていくことにもなるんです。
体の大きさや色,モンスターによっては角の長さなども変わりますし,パラメータ的な部分や性格,食べ物の好き嫌いなんかもモンスターごとに違うものになっていきます。ある程度似ることはあるかもしれませんが,まったく同じモンスターというのはありえません。
ある程度,方向性を決めて育成することはできますが,必ず同じ結果になるわけではない,ということです。
“モンスターファームらしさ”を出そうということで,距離帯を入れたんですが,こだわりを持っている部分と,縛られている部分の両方があります。しかし何より,オンラインゲームとしてどこまで快適に遊べるか,どこまでゲーム性を高められるか,といったバランスを重視してきました。当初は一般的なMMOで採用されているような,クリックするだけで攻撃するシステムだったんですが,操作が簡単であるというメリットはあるものの,遊び応えが足りなくなってしまって。
難しくなりすぎて,プレイヤーを選ぶようになってしまうんです。なので,このあたりは何度も何度も作り直しました。
“吹き飛ばし”を入れてほしいという要望がありましたね……。ただ,あれは戦闘フィールドの両端にエンドがあるからこそ意味のあるもので,これをそのまま三次元空間に再現するのはなかなか難しいものがあります。モンスターファームらしさを再現しようにも,MFOでは成立しないものがあったりしまして……。
MFOでは,冒険地がMOタイプになっていますよね。そうなると,ほかのプレイヤーが育成しているモンスターと,比べて楽しむ機会が少ないのではないか? とも思うのですが。
ほかのプレイヤーのモンスターと比べる場としては,タウンや,今後充実させていく“大会”などがあります。
先ほどお話ししたような,身長や体重でモンスターを比べ合うようなもの,例えばランキングなどは,公式サイトでもできるかな? と考えているんです。
なるほど。つまり,まだ大会機能が実装されていなくても,運営側のサポートで,似たようなものを実現していけるということですね。とはいえやはり気になるのが,大会の実装時期なのですが……。
まだ詳しいお話はできないのですが,2008年中の比較的早い時期には実装していきたいと考えています。
ええ。向こう一年分くらいの大まかなスケジュールは決まっています。ただ,オンラインゲームなので,開発や運営をしていくなかで,プレイヤーの反応なども見つつ調整していきたいと思っています。もちろん,方向性はきっちり決まっていますよ。
クエストには,冒険地に出ていろいろな物を集めるものが多いんですね。それならば,集めた物で何かを“生産する”ということもできるといいな,と考えています。例えば,モンスター用のトレーニング器具や,ファームを飾る家具,あるいはそれらを作るための道具などを,素材を集めて生産できるような,自給自足の生活が実現できる世界を作りたいんですよ。
ええ。その中で,モンスターの種族ごとに手に入れられるアイテムが異なっていれば,「この素材を手に入れるために,このモンスターを育てている人を探さなきゃ」みたいな形でコミュニケーションが生まれることもあると思うんです。
まずは何度もお伝えしているとおり,ファームにほかのプレイヤーを呼べるようになります。ただ,それは“お友達を呼ぶ”感覚に近いものなので,もう少し大きな繋がりがあってもいいのかな? と考えているんです。
具体的には,“地域”のようのものを考えています。ゲームの中にある“地区”を基に,プレイヤーが集まって何かをできればいいな,と。まだ構想の段階なので細かくはお話しできないのですが,例えば学校の場合だと,体育祭や文化祭をやったりすることで,違うクラスや違う学年の人達と,一緒の目的を持って楽しむことができますよね。そういうコミュニティを生み出せないかな,と。
そういう意味では,オープンβテストから“モンスター同士が勝手にきっかけを作る”という機能があるんですよ。犬の散歩をしている途中で,余所の犬と出会ってじゃれ合うことがありますよね。それをきっかけに飼い主同士も話をするような。それをモンスター同士がやるんです。モンスター同士の相性が良いと,プレイヤーから離れて他人のモンスターについて行っちゃうようなこともあります。
ほかのプレイヤーが連れているピクシーに,自分のライガーがハートマークを出して勝手に走って行っちゃったり。
しかも,相性の良いモンスター同士でパーティを組むと,通常より成長率が良くなったりもするんです。ただ,それは付加的なメリットであって,ほかのプレイヤーとの最初の会話のきっかけになるようなシステムという意味合いを重視しています。
大きな枠を作ることと,1対1の繋がりが生まれやすくすることの両面から,コミュニティ作りを推進するということなんですね。
現段階では,どれぐらいの頻度で……というのははっきりと決めているわけではありませんが,スタンバイはしています。定期的に小出しにしていくか,どこかのタイミングである程度の数をまとめて追加するかといったことも含め,その時々の状況に合わせて考えていきたいと思っています。
ええ。例えば,期間限定のレアモンスターなんかも,オンラインゲームならではだと思うんですよ。同じCDでも,ある期間だけ普段とは違うモンスターが出てくるような形は,コンシューマではできなかったことですから。こういう風に,常に面白い仕掛けを追加していきたいと思います。
なるほど,そうなると昨年末に発表された長瀬実夕さんのケースのように,音楽業界と手を組んでのタイアップなども考えられそうですね。
確かに,あとからいろいろなものを追加できるという意味では,そういったタイアップなどもやりやすそうですね。
ほかにも,何かのマスコットキャラクターを登場させるようなことも,やっていきたいんです。例えば過去にも「モンスターファーム4」で「ピポサル」,「モンスターファーム5」で「トロ」がゲスト的に登場していますから。
ところで,冒険地などのエリアも今後は追加されていくと思うのですが,こちらのアップデート予定などを教えていただけますか?
これまでにも“寒冷地”のキャラクターなどを,少しずつお見せしてきているのですが,やはりイベントの進行状況などを見ながら,実装のタイミングを計っていきたいなと思っています。
実装済みのエリアから,新たなエリアに行けるようになるときには,新しいモンスターが出てきたり,ストーリーが展開したり……といったことも予定しているんです。
ただ,当面は育成がゲームの柱になりますから,世界地図の断片を少しずつお見せしていって,同時にシナリオも少しずつ明らかにしていくという方針です。いずれ全体像が明らかになってきたら,そこからストーリー的には大きな流れに移行しようかな……とは考えているんですが。
回復アイテムやエサ,ファームを拡張するアイテムなどのバリエーションは増やしていきたいですね。また,先ほどもお話したとおり,助手も種類を増やしていきます。あとは,普通とはちょっと違うモンスターや,過去のシリーズに登場したレアモンスターなどを生み出せる“円盤石”なんかも追加していきたいですね。
いえ,課金アイテムとして販売するものも出てくると思いますが,冒険地で拾えるものも,いろいろと追加していきたいと思っています。
MFOの最初のキャッチコピーは,“世界に一匹だけ,あなただけのモンスター”というものだったんです。まずはこれを実現するべく,開発をしてきました。プレイヤーの皆さんには,「うちの子はちょっと違うぜ!」みたいな感じでモンスターに愛着を持って,楽しんでもらいたいと思っています。
今までのオンラインゲームでは,あまりなかったタイプのコラボレーション企画なども進行中です。一見するとMFOとはあまり関係ないようなものも巻き込みながら,「MFOで面白そうなことをやってる!」と思っていただけるようなアイデアを,どんどん形にしていきますので,それも楽しみにしていてください。
今回のインタビューでは,開発の歴史を振り返りながら,MFOの魅力を語ってもらった。冒頭にもお伝えしたとおり,このインタビューを行ったのは,2月25日のプレスカンファレンス当日のこと。開発に2年を費やしたこともあってか,この日のお二人からは,ここまでやり遂げた充実感と,気を引き締め直して正式サービスへ向かおうという前向きな気迫が溢れていた。
結果から見れば,正式サービスを予定日に始めることはかなわず,正式サービス開始日にトラブルに見舞われはしたものの,ここで語られていた言葉に嘘はないだろう。
10年もの歴史を持つモンスターファームシリーズを引き継ぐことは,大きな強みであると同時に,大きなハードルでもある。新規のプレイヤーを取り込みながら,同時に過去のシリーズ作品からのファンを納得させるのは,決してたやすいことではないはず。
しかし,テクモとゲームポットの開発および運営手腕がいかんなく発揮されれば,これはクリアできるだろう。正式サービス開始後のMFOが,どのような道を歩んでいくことになるのか,今後とも注目していきたい。
「日本のオンラインゲーム市場は失敗した」――ソウル中央大学ウィ教授が語る,オンラインゲームの危機

 

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